なかなか体重が落ちない!

キーワードは「成長ホルモン」

 

東京台東区よみせ通り診療所所長の佐藤佳子先生は、昨年まで勤務していた病院で「ダイエット外来」を担当していました。肥満の改善治療が専門で、30年間で、延べ3万人以上の人に、やせるお手伝いをしてきました。

 

そこでわかったことは、「肥満に悩んでいる人は、正しい睡眠を取れていない」ということです。

 

やせるためには、栄養面や運動面からの総合的な指導も欠かせません。しかし一方で、きちんと睡眠が取れていない人は、いくら食べ物や体操に意識を傾けても、ダイエットに成功しないのです。

 

そこで佐藤先生が考案したのが、「正しい睡眠」により、ぐっすり眠ることでやせる、「寝るだけダイエット」です。

 

患者さんたちは、つらい食事制限やきつい運動などは行っていませんが、1年で10kg近くやせた例も、珍しくありません。

 

なぜ、毎晩、熟睡するだけでダイエットに成功できるのでしょう。

 

先にふれたとおり、「睡眠」と「肥満」には、密接な関係があります。それを解くキーワードになるのが、私たちが眠っている間に分泌される「成長ホルモン」です。

ぐっすり眠ると一晩で300kcalやせる

 

成長ホルモンには、大きく分けて2つの役割があります。

 

1つは、疲労の回復です。ぐっすり眠ることで翌朝に疲れが取れるのは、この成長ホルモンにより、体がリセットされるからです。深く眠ってスッキリと目覚めれば、肌も体もリセットされて若返り、アンチエイジング効果が得られます。成長ホルモンが、ときに「若返りホルモン」と呼ばれるのも、このためです。

 

もう1つの役割は、体内にたまった脂肪の分解です。

 

ぐっすり眠ることで、成長ホルモンがきちんと働くと、一晩に約300kcalの脂肪が分解されます。これは、ご飯なら1ぜん半分、食パンなら2枚分に相当するエネルギー量です。

 

一方、睡眠時間が短かったり、眠りが浅かったりで、ぐっすり眠れていない状態だと、成長ホルモンの分泌が70%減少。約200kcalの脂肪が、分解されずに蓄積することになります。

 

この睡眠不足の状態が続くことで、1カ月後にはなんと6000kcalの脂肪が蓄積します。体重1kg当たりの脂肪は、7200kcalに換算できるので、1カ月強で約1kg。半年だと約6kg、1年で約12kg、太っていくことになります。

 

逆にいえば、きちんと睡眠を取りさえすれば、寝ているだけで1日に300kcal分、やせることができるのです。これが、成長ホルモンが別名「やせホルモン」といわれるゆえんです。

 

とはいえ、ただ眠りさえすれば、やせるわけではありません。成長ホルモンの働きを高める、「正しい睡眠」を取ることが大切です。そのために佐藤先生が提唱しているのが、「3・3・7睡眠法」です。

最初の「3」=「夜中の3時には眠っている」

成長ホルモンが分泌しやすい時間帯は、夜の10時から午前3時くらいといわれています。

 

また、夜中の3時というのは、私たちの体に備わっている3つの生体リズム(24時間周期、12時間周期、90分周期)の、いずれもがちょうど重なり合う時間帯でもあります。

 

よって、夜中の3時に眠っていることが、体にとって自然であり、ダイエットにも効果的といえます。

次の「3」=「眠り始めの3時間は、まとめて眠る」

何時に床に就いても、寝始めの3時間は、途中で目覚めることのないようにしてください。

 

眠りについた直後の3時間くらいのうちに、成長ホルモンは集中して分泌され、それ以降はほとんど出ないことがわかっています。

 

また、私たちの眠りは、浅い「レム睡眠」と、深い「ノンレム睡眠」をくり返しつつ、徐々に眠りが浅くなり、朝を迎えるというのが通常パターンです。

 

レム睡眠とノンレム睡眠のくり返しは、1時間半で1セット。そして、ノンレム睡眠の中で最も深い眠りは、最初の2セットのうちに現れます。

 

そうしたことから、寝始めの3時間は、目を覚ますことなく、ぐっすりと眠る必要があるのです。

最後の「7」=「1日でトータル7時間睡眠を目指す」

アメリカのコロンビア大学の論文によると、睡眠時間が7時間の人と5時間の人を比較すると、5時間の人のほうが肥満率が52%高いそうです。睡眠時間が4時間になると、肥満率は73%にまで上がります。

 

とはいえ、長く寝るほどよい、というわけではありません。「1日の総睡眠時問は7時間程度がベスト」というのが、最近の主流になっています。健康のためにも、ダイエットのためにも、適正な睡眠時間の確保は必須です。


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